治療案内

患者様お一人お一人のお仕事や状況により、治療の内容は少しずつ変わってきます。お話しをよく聞いて調整します。一緒に同じ目標へ向かって治療しましょう。

内科

生活習慣病(成人病)

糖尿病・高血圧・脂質異常症・高尿酸血症

生活習慣病とは

生活の悪い習慣(かたよった食事、運動不足、タバコ、アルコール、ストレス)が積み重なって起こります。逆に言えば、バランスのとれた食事、適切な運動、禁煙、禁酒などにより予防することができる可能性があります。

生活習慣病のこわいところは

まず、初期段階では症状がないことです。そして、気づかないまま進行し、合併症(脳卒中、心臓病、失明、腎不全など)を引き起こし命に係わることがあります。

  • 健康診断や人間ドックで異常を指摘された方
  • インターネット等で自分がこの病気ではないかと心配になった方
  • 血のつながった方が生活習慣病と言われている

上記の方は、自覚症状がなくても、特に早めに受診することをお勧めします。

当院での方針

本人の生活スタイルにより、方針が大きく変わります。勤務の時間帯、食事の内容、食事の摂り方、運動の質、運動の量などが、人それぞれ違うからです。

  1. 生活習慣を一緒に見直します。
  2. 合併症の有無を確認します。
  3. 必要に応じて、適切な薬を提案します。
1.生活習慣を一緒に見直します。

例)

  • 仕事の終わる時間が遅くて晩御飯が深夜になってしまう。
  • 間食を多くとってしまう。
  • 外食が多い。
  • 夕食後についつい甘いものが欲しくなる(やめられない)
  • 塩辛いものが好きだ。
  • 運動は全くしていない。
  • 通勤で歩くようにしている。

など、人それぞれに状況が違います。運動療法(生活の中で無理なく運動を取り入れる)を提案し、食事療法(栄養士さんによる栄養指導)を積極的に受けてもらい、生活習慣の改善を目指します。
※)栄養指導は外部委託になります。

2.合併症の有無を確認します。

生活習慣病のこわいところは自覚症状がなく、気づかないまま進行し、合併症(脳卒中、心臓病、失明、腎不全など)を引き起こし命に係わることです。

動脈硬化、眼底変化、腎機能低下、神経障害など、生活習慣病の合併症の評価を行います。現状を確認し理解していただいて、治療目標を立てます。

3.必要に応じて、適切な薬を提案します。
  • 運動療法、食事療法でも改善が乏しい場合
  • 合併症がすでに存在し、薬物治療が必要と判断した場合
  • 運動療法、食事療法に加えて薬物治療も同時に行った良いと判断した場合

このような場合に適切な薬を提案します。

まとめ

検査結果だけを見て薬を飲み始めるのではなく、生活習慣の中で改善できることはないか、一緒に考えていきます。現状を理解していただいた上で方針を相談しましょう。栄養指導だけで、みるみる良くなった方をたくさん経験していますので、是非、ご相談ください。

一般内科

かかりつけ医

当院では、かかりつけ医として発熱、のどの痛み、たん、せき、頭痛、はきけ、おう吐、腹痛、下痢などの急性疾患から糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などの慢性疾患やぜんそく、花粉症、甲状腺疾患、貧血など幅広く診療しています。
※もちろん長引くセキ、長引く腹痛などもご相談ください。

内科で良いのか分からない場合

だるい、ふらつく、首が腫れてきた、のどが渇く、尿が近い、足がむくむ、体調が悪いなど「何科に行ったらいいか分からない」という場合でもご相談ください。
内科での対応が可能であるか、他の科で診てもらった方が良いか判断します。内科疾患であっても、症状に応じて、必要と判断すればより専門的な医療機関にご紹介いたします。

予防接種

治療だけでなく、インフルエンザ、麻疹、風疹、ヘルペス、水痘など予防接種にも力を入れています。
※予防接種は予約制となっております。お手数ですが一度、受診していただき、予防接種の予約を取ってください。

消化器内科

消化器内科

消化器の働きは、食べ物を効率よく体内に吸収することです。

食道・胃・小腸・大腸

食べ物を運搬・消化・吸収します。

肝臓、すい臓、胆のう

消化酵素(すい液、胆汁など)を分泌する役割と、吸収した栄養素を貯めておく役割をします。胆のうは「胆汁(たんじゅう)」という消化液をためる役割があります。
さらに、肝臓やすい臓は、有害物質を除去したり、血液が固まることを助けたり、薬やアルコールを分解したり、ホルモンを分泌したりと消化以外にも多くの役割を持っています。

消化器疾患を疑う症状

消化器疾患と言っても、その症状は様々です。

~症状の例~

痛み(部位;のど、胸、お腹、背中)(痛みの種類;にぶい痛み、刺すような痛み)違和感( のど、胸、お腹 )

他には苦い水が上がってくる、むねやけ、げっぷ、飲みこみにくさ、のどのつかえ、胸のつかえ、はきけ、おう吐、長引くせき、胃もたれ、お腹の張り、便秘、下痢、吐血、下血、だるさ、食欲低下、体重減少、黄だん(体が黄色くなること)

むねやけと思っていたら心臓の病気だった
胃の痛みと思っていたら虫垂炎だった
胃もたれだと思っていたらすい臓の病気だった
十二指腸潰瘍の再発だと思っていたら胆石だった
ということもあるので、気になる症状があればご自身で判断せずにご相談ください。

症状別

げっぷ

食事とともに飲み込んだ空気が出てくるだけなら特に問題はありません。
すっぱいげっぷの場合は逆流性食道炎、胃もたれを伴う場合は胃酸過多の場合があります。胃の働きが低下していることも考えられます。
頻繁にげっぷが出るのであれば、ご相談ください。

考えられる病気→ 食道裂孔ヘルニア、慢性胃炎、機能性ディスペプシア、胃潰瘍、呑気症(どんきしょう;空気を飲み込んでしまう)、胃がんなど、

吐き気・嘔吐

乗り物酔い、食あたり、ストレス、妊娠、嫌なにおい、食べ過ぎ、飲みすぎなど吐き気・嘔吐の原因は様々です。一時的な症状で、自然に収まるようなら特に問題はありません。安静にする、消化の良いものを口にする、原因から遠ざかる、お薬で症状を抑えるようにしましょう。症状が続く場合はご相談ください。

考えられる病気→ 慢性胃炎、機能性ディスペプシア、逆流性食道炎、食道アカラシア、急性胃炎、胃腸炎、腸閉塞、発熱、脳圧亢進状態、薬剤性、肝腎疾患、メニエール病など

吐血

口から血を吐くことです。赤い血の場合もありますし、黒い血の場合もあります。コーヒー残渣と言って、フィルターに残ったコーヒー豆のカスのように、ざらざら細かい黒いつぶが出てくることもあります。食道・胃・十二指腸からの出血が原因です。まれに鼻出血を飲みこんだ場合や、肺からの出血(喀血、かっけつ)を間違うことがあります。
血圧が低下することがありますので、早く医療機関にかかりましょう。

考えられる病気→ 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、マロリーワイス症候群、食道胃静脈瘤、胃がんなど

のどの痛み・つかえ、違和感

イガイガ、チクチク、引っかかる感じ、セキをしても出てこないなど様々な症状があります。咽頭炎などのどの病気、鼻水がのどに流れ込んでくる「後鼻漏(こうびろう)」や、胃酸が上がってくることが原因になることもあります。
耳鼻咽喉科で異常がないと言われた方は一度ご相談ください。

考えられる病気→ 逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、食道がん、胃がん、鼻炎、咽頭炎、甲状腺の病気、肺の病気など

胸の痛み・違和感

胃酸が食道に上がってきて痛みがでることがあります。逆流性食道炎といって、食道に炎症が起きます。
胸の真ん中や左側が締め付けられるように痛む場合は、心臓病が原因のことがあります。突然の痛み、めまいや息苦しさを感じる場合は一刻も早く医療機関にかかるようにしましょう。胸の左右、背中側の痛みの場合は、多くの場合、肺の病気を疑います。症状が続く場合はご相談ください。

考えられる病気→ 心臓病、逆流性食道炎、カンジダ食道炎、食道がん、胃がん、肺の病気、帯状疱疹(ヘルペス)、肋間神経痛など

むねやけ

お腹の上の方や胸の真ん中に焼けるように感じる不快感をむねやけと呼びます。原因として多いのは、胃酸が食道に上がってくる逆流性食道炎です。暴飲暴食後の一時的なものなら心配はありません。治りにくい場合、再発を繰り返す場合は、ご相談ください。

考えられる病気→ 逆流性食道炎、慢性胃炎、胃潰瘍、食道がんなど

長引くせき

胃酸がのどに上がってくることで、せきが収まらないことが時にあります。咳止め、抗生剤、アレルギーの薬でなかなかせきが収まらない方は、ご相談ください。

考えられる病気→ かぜ、気管支炎、肺炎、結核、逆流性食道炎など

胃もたれ

食事が美味しくない、食欲が落ちた、食べるとお腹が張る、違和感が続く、すっきりしないなど様々な表現があります。慢性胃炎による症状かもしれません。胃の働きが悪くなり、胃から腸へ食物を運ぶ力が落ちたり、胃が十分膨らむことが出来ずにすぐに満腹になったりすることがあります。

考えられる病気→ 慢性胃炎、機能性ディスペプシア、胃潰瘍、胃がんなど

腹痛

腹痛を訴えて来院される方が多いです。

痛みの持続時間
  • いつからの痛みか
  • ずっと続くのか、良くなったり悪くなったりと波があるのか
  • にぶい痛みなのか、刺すような痛みなのか
  • 痛みの程度が変わらないのか、どんどん痛くなるのか

をお聞きするようにしています。

ずっと続く痛みで、どんどん痛くなる場合は外科的な治療が必要になることが多い印象です。

食事との関連

食事をすると症状が強くなる場合は、胃、胆管、すい臓が原因の可能性があります。また、空腹で症状が強くなる場合は、胃の出口付近から十二指腸の病変が原因である可能性があります。

腹痛部位別
みぞおちの痛み・違和感 みぞおちには、胃、十二指腸、胆管、胆のう、すい臓があります。さらに血管が複雑に入り組んでいますので、簡単に原因がつかめないことがあります。食事をすると症状が強くなる場合は、胃、胆管、すい臓が原因の可能性があります。また、空腹で症状が強くなる場合は、胃の出口付近から十二指腸の病変が原因である可能性があります。我慢せずにご相談ください。虫垂炎の初期にみぞおちが痛くなることがあります。

考えられる病気→ 急性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃がん、急性すい炎、慢性すい炎、すい臓がん、胆のう炎、胆のう結石、胆管結石、肝がん、虫垂炎の初期、心臓の病気(狭心症、心筋梗塞)、解離性大動脈瘤など

右上腹部の痛み 肝臓疾患、胆のう炎が考えられます。

考えられる病気→ 肝炎、肝膿瘍、肝がん、急性胆のう炎、胆石、十二指腸潰瘍など

左上腹部の痛み 脾臓、横隔膜、心臓の疾患が考えられます。

考えられる病気→ 胃潰瘍、胃炎、脾腫、心臓の病気(狭心症、心筋梗塞)

右下腹部の痛み 大腸、小腸、尿管の疾患が考えられます。女性であれば、卵巣や子宮の病気を念頭に入れます。

考えられる病気→ 虫垂炎、腸閉塞、腸炎、大腸がん、卵巣・子宮の病気、尿管結石、クローン病など

左下腹部の痛み 大腸(S状結腸)、尿管の疾患が考えられます。女性であれば、卵巣や子宮の病気を念頭に入れます。

考えられる病気→ 憩室炎、大腸穿孔、大腸がん、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、尿管結石、卵巣・子宮の病気など

おへそ周囲の痛み 小腸や血管の疾患が考えられます。

考えられる病気→ 腸炎、大動脈瘤破裂、憩室炎、急性すい炎、胃炎など

お腹全体の痛み・違和感 痛みが急に起こったのか、以前からあるものか、痛みの強弱、おう吐や下痢を伴うものか、発熱があるのかどうかにより、至急で検査をお勧めする病態かどうか提案します。おへそから膿(ウミ)が出る場合は尿管膜膿瘍(にょうまくかんのうよう)かもしれません。

考えられる病気→ 急性胃腸炎、過敏性腸症候群、腸閉塞、腹膜炎など

お腹の張り 空気、水、便がたまるとお腹が張っていると感じます。胃の調子が悪いとみぞおちあたりの張る感じを感じることがあります。

考えられる病気→ 慢性胃炎、呑気症、腹水、肝のう胞、腫瘍、便秘、腸閉塞など

便秘

原因としては、排便を我慢し続けることで便秘が習慣になってしまう「習慣性便秘」、大腸の動きが悪くなって便を運べなくなってしまう「弛緩(しかん)性便秘」、大腸が過度に収縮してしまい便が運べなくなる「痙攣(けいれん)性便秘」が知られています。

腹筋の衰えにより排便時にいきんでも出にくくなることもあります。手術後に便秘になった方は、腸が狭くなっているかもしれません。また大腸がんや大腸ポリープにより大腸が狭くなっていることも考えられます。ストレスが原因の場合もあります。

考えられる病気→ 慢性便秘、大腸がん、大腸ポリープ、過敏性腸症候群など

下痢 便の水分量が増えて、便が軟らかくなった状態のことを言います。
小腸や大腸にウイルスや細菌が腸に入ると、ばい菌を押し出そうとして下痢をします。腸が狭くなった場合に便秘を防ごうとして下痢をすることがあります。(腸が完全にふさがると便秘、腸閉塞になります。)
炎症性腸疾患と言って小腸や大腸に原因がはっきり分かっていない病気の場合や、ストレスが原因の場合もあります。考えられる病気→ 感染症、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がん、大腸ポリープ、過敏性腸症候群など
下血 便に血が混ざっているのか、便に血が付着しているのかをお聞きします。
健診などの便潜血反応が陽性であった場合は大腸内視鏡を受けることをお勧めします。(大腸内視鏡は当院では実施しておりませんが、信頼している医師に紹介させていただきます。ご相談ください。)
便やお尻を拭いた後のトイレットペーパーにに真っ赤な血が付着している場合は痔が原因のことが多いです。考えられる病気→ 痔、感染性腸炎、大腸がん、大腸ポリープ、小腸腫瘍、虚血性腸炎、憩室出血など
食欲不振・体重減少

消化器系の疾患以外に、肝疾患、腎疾患、内分泌疾患などたくさんの病気が考えられます。悪性腫瘍が原因になっていないか早めの検査をお勧めします。

考えられる病気→ 逆流性食道炎、慢性胃炎、胃潰瘍、機能性ディスペプシア、胃がん、すい臓がん、肝機能障害、甲状腺機能低下症、うつ病など

黄だん 体が黄色くなることです。肝臓、胆のうの疾患で出現します。

考えられる病気→ 肝機能障害、胆のう結石、胆のうがん、胆管がん、すい臓がんなど

内視鏡内科

内視鏡内科

内視鏡内科って?

はしもと内科の院長 橋本耕二は、日本消化器内視鏡学会の専門医試験に合格した、内視鏡(胃カメラ)のスペシャリストです。これまで、胃カメラを用いた数々の疾患の検査・治療に当たってきました。
はしもと内科では、今までの経験を活かして、鼻からの胃カメラを用いて微小胃がんを見つけるつもりで細かく検査診断しています。

診断できる疾患

  • 逆流性食道炎、胃炎、十二指腸炎
  • 食道、胃、十二指腸のポリープ
  • 食道、胃、十二指腸の潰瘍
  • 食道、胃、十二指腸のがん、前がん病変
  • 食道・胃静脈瘤
  • 粘膜下腫瘍  など

胃カメラを受けた方が良い場合

大きく2つあります。

長引く症状がある場合

胸焼け、胃もたれ、痛みなどが長引く場合には薬の治療と食事などの生活習慣の注意点を説明しつつ、原因を調べるために胃カメラをお勧めすることがあります。お薬で症状が収まらない場合も胃カメラをお勧めする場合があります。

検診目的

症状がなくても50歳以上であれば、2~3年ごとの胃カメラをお勧めします。
50歳未満でも、両親、親戚や兄弟姉妹の方が胃の病気であったり、ピロリ菌を指摘されているのであれば、ピロリ菌の検査か胃カメラをお勧めします。

内視鏡専門医

学会が認定した指導施設で5年以上の研修し、所定の技能および経験をもっていることなどが認定基準になり、さらに試験をパスして専門医に認定されます。

胃透視と胃カメラでは、どちらを選ぶか。

※胃透視はバリウム、X線検診とも言います。以下「胃透視」と表記します。

私自身なら胃カメラを受けます。家族にも胃カメラを勧めます。
平成15年から新潟市では胃透視だけでなく、胃カメラでの検診を開始しています。その研究成果が発表されています。3年以内の少なくとも1度の胃カメラ検診受診で30%の胃がん死亡率減少効果を認める一方、胃透視については、有意な胃がん死亡率減少効果は認められませんでした、との結果でした。
つまり、胃カメラ検査は死亡率を下げる証拠があり、エックス線検査に比べて、がんを確実に見つけることができるということです。
日本では、がんで亡くなる方のうち、胃がんは男性の第2位、女性の第3位をしめていますので、大切なデータだと思います。

【引用元】
A community-based, case-control study evaluating mortality reduction from gastric cancer by endoscopic screening in Japan
(著者)Hamashima C, Ogoshi K, Okamoto M, Shabana M, Kishimoto T, Fukao A
(誌名. 発行年; 巻(号): ページ)PLoS One. 2013 Nov 13; 8(11): e79088

経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)

おう吐反射(オエッという吐き気)が少ないです。今まで口からの人差し指ほどの太さの胃カメラを経験された方のほとんどが「楽だった」「これならまた受けたい」とおっしゃっています。口からの胃カメラに比べると比較的楽に受けていただいている実感があります。

口からの胃カメラでオエッとなりにくい方であれば、鼻から入れることにこだわらずに、専用のマウスピースをくわえてもらい、経鼻内視鏡を口から入れることも可能です。

鼻の穴が細くてどうしても内視鏡が通らないことがあります。無理に入れると鼻血や痛みの原因になるため、専用のマウスピースをくわえてもらい、経鼻内視鏡を口から入れることも可能です。
鼻血がでることがあるので、下記の方は口から経鼻内視鏡を入れることをお勧めすることがあります。

  • 血液をサラサラにする薬を飲んでいる
  • アレルギー性鼻炎で鼻づまりしている
  • 鼻血が出やすい
  • 肝臓病などで血小板数が少ない方

どうしてもおう吐反射が強いかたがいらっしゃいます。出来るだけ丁寧な検査を心がけます。

糖尿病

糖尿病

糖尿病とは

糖尿病とは、血液の中の糖の濃度(血糖値)が高い状態が続く病気です。血糖値を下げるホルモンは「インスリン」と言います。血糖値が高い状態として以下の場合が考えられます。

  1. インスリンの「量が少ない」せいで、血糖値が高くなる
  2. インスリンの「効き目が悪い」せいで、血糖値が高くなる
  3. インスリンの「量が少ない」し、インスリンの「効き目も悪い」ため、血糖値が高くなる

糖尿病はなぜ治療しなければならないのか

だるい、ふらつく、首が腫れてきた、のどが渇く、尿が近い、足がむくむ、体調が悪いなど「何科に行ったらいいか分からない」という場合でもご相談ください。
内科での対応が可能であるか、他の科で診てもらった方が良いか判断します。内科疾患であっても、症状に応じて、必要と判断すればより専門的な医療機関にご紹介いたします。

糖尿病の何がこわいのか

合併症がこわいです。

糖尿病の初期では、ほとんどの方が無症状で過ごします。こわいのは、自分では全く症状がないまま合併症が進行し、急に目が見えない(失明)、半身まひ(脳梗塞)などの症状が出現します。

合併症の例
糖尿病性腎症

数年前から健康診断で血糖値が高いことを指摘されていたのですが、仕事が忙しいため放置していました。足のむくみが出現し、顔面までむくみが広がってきましたが、それでも病院には行かず。息が苦しく意識がもうろうとしてから当院を受診しました。診断は、糖尿病、糖尿病性腎症です。腎機能障害のため尿が出ず、心臓に負担がかかって心不全、肺うっ血をきたしていました。病院に入院となりました。

糖尿病性網膜症

小さい虫がたくさん飛んでいるように見える「飛蚊症(ひぶんしょう)」や、黒いカーテンがかかったように見えると、網膜症が進行している可能性があります。急にものが見えなくなることもあります。初期には全く症状がありません。

糖尿病性神経障害

a)数人でたき火をしていた時に、Aさんの足が燃えていることに周囲の人が気付きました。あわてて「おい、お前の足、燃えているぞ」とAさんに伝えると、当の本人はびっくりしました。自分の足をみて初めて燃えていることに気づきました。火傷の手当のために皮膚科を受診しました。熱さや痛みを感じないのは、糖尿病による神経障害ではないかと疑われ当院に紹介されました。血液検査で糖尿病と判明しました。

b)尿が出にくいとのことで受診された女性。下腹部に大きな腫れがありました。エコーで診てみると、ぼうこうが尿で充満して大きくふくらんでいました。以前に糖尿病の治療を受けていて途中で中断したとのことでした。糖尿病による神経障害のために、ぼうこうに尿がたまっても気づかない「神経因性ぼうこう」でした。ぼうこうで細菌が繁殖していました。この細菌が腎臓にまわって腎盂腎炎を起こすと高熱がでます。ふくらんだぼうこうが破裂して腹膜炎を起こした患者さんも診たことがあります。

糖尿病性昏睡

ペットボトルのジュースが大好きな高校生で、体重が急激に増えました。息苦しさ、けん怠感を感じて当院を受診しました。高血糖からくる昏睡の手前でした。病院に入院となりました。

合併症について

3つの大きな合併症

腎臓、目、神経に障害を起こします。それぞれ糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害と言います。

腎症・・・
老廃物を尿に捨てる働きがうまくいかなくなります。悪化すると人工透析と言って、器械に尿を作る治療が必要になります。

網膜症・・・
目の奥にある網膜の血管が詰まり、目が見えにくくなり、悪化すると失明することもあります。白内障や緑内障になることがあります。

神経障害・・・
しびれが出たり、感覚が鈍くなります。半紙の上をあるいているみたいな感じとおっしゃる方が多い印象です。悪化すると壊疽(えそ)を起こして、最悪の場合、足を切り落とす必要が出てきます。自律神経の失調(めまい、胃腸の不調など)が出現することもあります。

動脈硬化

糖尿病は心臓病や脳卒中などの動脈硬化を引き起こします。命にかかわる病気です。

糖尿病性昏睡

血糖値が高いと意識を失う「糖尿病性昏睡」という状態に陥ることがあります。

糖尿病の検査

血液検査で診断します。
血糖値とヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)を測定します。

当院のメリット

当院では、血糖値はもちろん、糖尿病の指標であるヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)と、脂質(総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)を当日にお伝えし、治療方針を決めることが出来ます。
  ※採血から結果判明まで10分~20分ほどお時間をいただきます。

糖尿病の治療

食事療法、運動療法、薬物療法が基本となります。
特に食事療法をおろそかにしていると、運動療法や薬物療法の成果は得られません。「たくさん運動して、薬も飲んでいるけど、食べたいものを食べている」では良くなりません。

食事療法
  1. 腹八分目にする。
  2. 食品の種類はできるだけ多くする。
  3. 脂肪は控えめに。
  4. 食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこなど)をとる。
  5. 朝食、昼食、夕食を規則正しく。
  6. ゆっくりよくかんで食べる

まずは、適切な体重を知りましょう。

身長 理想体重
140㎝ 43.1 kg
145㎝ 46.3 kg
150㎝ 49.5 kg
155㎝ 52.9 kg
160㎝ 56.3 kg
165㎝ 59.9 kg
170㎝ 63.6 kg
175㎝ 67.4 kg
180㎝ 71.3 kg
185㎝ 75.3 kg

理想体重より実際の体重が多い方は、食事をとりすぎていると思われます。適切なエネルギー量を守りましょう。
(人それぞれに必要な食事量(エネルギー量)があります。身長、と身体活動量から計算しますので、ご相談ください。)

他のポイント

a.野菜を最初にとり、炭水化物は最後にする。
b.朝食をしっかりとり、夕食はひかえめにする。
c.毎日、ほぼ決まった時間に体重を測定し記録する。
これは食事療法の評価になります。

運動療法
  1. 運動を続けることで、インスリンの「効きが悪い」状態が改善します。
  2. 筋肉を動かす運動により血糖値が下がります。インスリンの働きが悪くて糖尿病になった方でも運動で血糖値は下がります。ただし運動で消費するエネルギーはそれほど多くありません。「運動したから多く食べられる」という考えは誤りです。
  3. 骨粗しょう症の予防になります。
  4. 体重を減らす効果があります。
  5. 心肺機能を良くします。

※進行した合併症がある場合は病状を悪化させることがあるので、ご相談ください。

薬物療法
薬物療法を始める時
  • 食事療法、運動療法を始めても血糖値のコントロールが十分でない場合
  • インスリン不足の場合(1型糖尿病、糖尿病昏睡)
  • 妊娠にともなう糖尿病の場合
のみ薬と注射

糖尿病の薬物には、のみ薬と注射があります。
多くの種類の薬剤があります。ライフスタイルや病態から使い分けます。

薬物治療の注意点

自己判断で薬を増やしたり減らしたり、やめてしまうことがないようにしてください。薬を増やすことで低血糖に陥ったり、薬を減らしたりやめることで高血糖から糖尿病性昏睡になることがあります。必ずご相談ください。

禁煙外来

禁煙外来

禁煙を始めたい方へ

あなたがタバコをやめられないのは、あなたの意志が弱いからではなく「ニコチン依存症」という病気かもしれません。
「禁煙しようと思いつつ、なかなか実行できない方」「一度、禁煙できたのに、もらいタバコをきっかけにまた始めてしまった方」

健康のためには、禁煙が一番の近道と分かっているのになかなか禁煙できないのはつらいです。

当院では、仕事帰りにでも、禁煙治療を始められるように、予約不要で禁煙外来を始めました。前職の国保中央病院で禁煙外来を担当していた経験をもとに、のみ薬や張り薬の投薬と、適切なアドバイスを行います。健康な身体を取り戻すために一緒に頑張りましょう。

※予約は不要です。随時、受け付けています。

受診の流れ

  1. 「禁煙治療を希望」と受付に伝えてください。
  2. アンケート形式の問診票に記入していただきます。
  3. 検査室で、呼気一酸化炭素濃度を測定します。(ふーーと息を吐くだけで決してこわい検査ではありません。)
  4. 診察室で、さらに詳しくお話しを聞きます。
  5. さあ、医師と一緒に「禁煙治療」を始めましょう。

※健康保険等の適用が可能かどうかを確認します

治療薬

飲み薬と、シールのように体に貼る薬があります。その方に合った治療方法を考えます。

ピロリ菌

ピロリ菌

ヘリコバクターピロリ菌とは

ヘリコバクターピロリ菌(以下、ピロリ菌)は胃に住み着く菌です。
ピロリ菌は、胃炎、胃かいよう、十二指腸かいようを引き起こし、胃がんになる可能性も高くなります。他に、胃のリンパ腫(マルトリンパ腫)や、出血を止める成分の血小板が減る病気を引き起こします。

ピロリ菌はどこから

ピロリ菌の感染経路は、まだはっきり分かっていません。上下水道が整備されていないような地域で感染率が高いようです。幼少期に、水、食べ物、親(そしゃくした食べ物を子供に与えることで感染する可能性あり)から感染すると言われています。大人から大人への感染はないとされています。

ピロリ菌の検査を受けた方が良い人は

a) 父母、兄弟、姉妹、祖父母、親戚にピロリ菌の感染者がいらっしゃる方

父母、兄弟、姉妹、祖父母、親戚が、ピロリ菌が原因で起こる病気(胃炎、胃かいよう、十二指腸かいようや胃がんなど)にかかったことがある方。
・・・同じような生活環境で育ったと考えられるので、感染している可能性が高いです。

※逆に、ご自身がピロリ菌に感染している、もしくはピロリ菌が原因で起こる病気をお持ちであれば、父母、兄弟、姉妹、祖父母、親戚の方にピロリ菌の検査を勧めてあげてください。

b) 胃や十二指腸かいようの経験のある方。
c) 胃炎の方(検診の胃透視・バリウム検査で胃炎を指摘された方も含みます。)
d) 胃もたれ、胃の痛みなどの症状がある方
e) なんとなく、胃の調子が良くない方。

当院でのピロリ菌の検査

胃カメラを使わない検査

1. 血液検査
胃が荒れているかどうかペプシノーゲンという項目を血液検査で同時に測定できます。これは胃がんの危険性(胃がんリスク検診)を調べることができます。

2.便検査
検便で分かります。

3.呼気検査
吐いた息で分かります。主にピロリ菌の除菌判定の際に行っています。

胃カメラを使う検査

4.細胞をつまみとります。
胃カメラで2~3mmの胃組織をつまみ取り、検査にかけます。

ピロリ菌除菌について

ピロリ菌の感染が判明したら、除菌をお勧めします。
胃がんの危険性を減らすためです。もちろん、胃・十二指腸かいようの予防のためにも有効です。
胃薬と抗生剤を7日間のみます。
入院は不要です。

注意点
  1. 胃カメラで胃の状態を確認してから除菌治療を始めましょう。
    ピロリ菌は除菌できたけど、胃がんは進行していった。と言うことでは、意味がありません。除菌前には胃カメラを行い、胃の状態を確かめましょう。具体的には、胃炎、胃・十二指腸かいようや胃がんがないか確かめましょう。
  2. 除菌「判定」までが、除菌治療です。
    薬を飲みきって、もう大丈夫、と言うわけではありません。
    必ず「除菌判定検査」を受けてください。息を吐く「呼気検査」を行います。薬を飲みきって1か月以上間隔をあけて検査します。
  3. 除菌が成功したら、一生胃カメラをしなくても良いのか
    いいえ。
    除菌後も必ず胃検診は続けましょう。幼少期からずっと胃に住んでいたピロリ菌が、長い期間をかけて胃を荒らしました。そう簡単に胃は綺麗にはなりません。
    危険性は減っていますが、ピロリ除菌に成功した後に胃がんの発生も報告されていますので、必ず胃検診を続けましょう。
  4. ピロリ菌除菌の保険適応
    下記の患者さんが保険適応になります。
    1. 内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
    2. 胃マルトリンパ腫の患者
    3. 特発性血小板減少性紫斑病の患者
    4. 早期胃癌に対する内視鏡治療後の患者
    5. 内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者

胃がんリスク検診

胃がんの危険性を血液検査で調べます。ピロリ菌の有無、胃が荒れているかどうかにより、胃がんの危険性を4段階で評価します。(自費3,000円)